バイアスに取って替わる直観力が成功を呼びこむ理由

データ不足が常の競馬において予想力は長いこと幅を利かせてきました。しかし、予想力は思われているほどノビシロがない。

競馬歴20年を振り返るとそう断言することができます。そして、よく考察してみて分かったのが勝ち人ほど直観力を発揮している事実でした。

イスラエルのある大学の研究によると、人間の直観の的中率は90%という驚異的な能力であることが分かっています。

直観とは、脳が過去にインプットしてきた経験や学習のデータベースから、無意識に答えを引き出してくる超高速の脳の意思決定プロセス。つまり直観は、記憶という根拠に基づいた、脳の論理思考の一種なのです。

バイアスは情報を省略することで現実を歪めてしまいますが、直観力は高速データベースですから現実を正しく見る最速の方法になります。

すなわち直観力を鍛えるほどにバイアスの影響力を小さくできる、最もシンプルかつ強力な方法だと言うわけなんです。

「守りの論理」と「攻めの直観」

「論理思考力」とは「当たり前のことを当たり前に説明する」ことで、それだけでは新しいアイデアや個性的な発想というものは出てきません。

そこで必要となるのが直観力です。いわば「守りの論理」に対して「攻めの直観」ということもできるでしょう。ここで直観力の特徴を論理思考力との対比で見ていきましょう。

まず、論理というのは「誰がやっても同じアウトプットが出てくる」のに対して、直観というのは「人によって違うアウトプットが出てくる」という違いがあります。

つまり直観力の発揮の仕方は百人百様であり、人による「芸風」があるのです。別の見方をすると、論理思考力というのはある程度までの機械化が可能ですが、「直観力」というのはAI化するのが非常に難しい能力といえます。

また論理思考力は他人に再現可能ですが、直観力は再現困難ということもいえるでしょう。例えば私自身も日々のコンサルティングの仕事や著作活動の中で「その仮説やフレームワークはどこから出てきたのですか?」という質問を受けることがありますが、これに対しての答えが「そうするとうまくいきそうだと思ったから」という以外に説明のしようがない場合があります。

これがまさに直観力によるものだということです。

経験で研ぎ澄まされる「直観力」

では、直観力というのは果たして鍛えることはできるのでしょうか。

そういう直観力はどこから来るかと言えば、やはりそれまでの経験、言い換えれば「成功と失敗の繰り返し」ということができるでしょう。「その道のプロ」というのは必ずその人なりに「あたりをつける」という能力を持っていると思います(前述の「答えの候補を絞り込む力」のことです)。これはそれまでのその道における経験に裏付けられたものになると思います。

一般的に年とともに体力とともに思考力も衰えてくると考えられがちですが、こと「直観力」に関しては経験に依存することから、逆に「年とともにさえてくる」ものと考えられますので、年をとるのもそう悪くないものだということになるでしょうか。

反面で直観力というのは「体系的トレーニング」をするのが極めて難しいところがあります。「直観力養成講座」のようなものを整備することは極めて困難です。理由はこれまで述べたように、属人的で他人に伝えるのが難しいことや長年の実経験が必要となるからです。したがって年月をかけたトレーニングを兼ねた実戦こそが一番ということになるでしょう。

直観力への誤解

直観というと、「第六感」とか「虫の知らせ」の類のように思う人も多いのですが、これは誤りです。
瞬時にその時に自分にとって最適なものを選ぶ「直観力」は決して外からもたらされるものでも、その時々の運に左右されるものでもありません。

直観力とは、あなたの中に蓄積された経験から導き出されるものです。
つまり、なるべく多くの経験の引き出しを持ち、かつそれが効率よく分類されていて、必要な時に瞬時に取り出す能力がある人が、直観力がある人ということになります。

ですから、まずは経験を増やすことが直観力アップに繋がります。
多くの経験をした人はそれだけ引き出しの数が多いので、取り出せる場面も増えるし、スピードもアップします。

直観力を発揮させるコツ

あなたが自分の直観に従って何かを決めたいという時に、一番じゃまになるものは何だと思いますか?
それは人目を気にすることです。

自分は本当はAの方がいいと思っているのに、「みんながBを選ぶから」「空気が読めないやつと思われそうだから」「Bを選ぶことを期待されているから」など、他人がどう思うかを基準に判断がブレてしまうことがあります。

周囲をよく見てそれに合わせることは必要ですが、周囲に流されて安易に判断を周囲の状況に委ねてしまっていては、あなたの直観力が鍛えられることはないでしょう。
成功した人の多くは、周囲がどう思おうと自分を信じて我道を行った人なのです。

直観力を磨くコツ

スティーブ・ジョブスやクリント・イーストウッドなど、多くの成功した人に共通している習慣がマインドフルネス瞑想(呼吸法)です。
瞑想というと、座禅を組まなければいけないのかとか、難しすぎてできないのではないかとか思うかもしれませんが、そんなことはありません。

座ったり寝転がったり、自分がリラックスできる体勢でとにかくぼーっとすること。自分の呼吸に意識を合わせてみるのもいいでしょう。
一日一回でも頭を空っぽにリセットすることでインプット情報を整理し、直観力を鍛えることができます。

直観力を鍛えることで、今何が必要で何が不必要なのかが瞬時に判断できるため、いざという時の大勝負に強いだけでなく、人生に無駄がなくなります。あなたも直観力を鍛えて人生の成功者への道を歩んでみませんか。